コーヒーとふくれっつら
「おっかしいな。」


無い。

ファックスの側に置いておいたメモ。


「あれ〜、落ちたか?」


棚をずらしてみても見当たらず。


「どうしたの?」


シャワーを浴び、髪を拭きながら現れた彼女。


「健もどうぞ。その間にトースト焼くね。」


キッチンに消えていく。


「なぁ、美里。」


「ん?」


「メモ知らね?」


「メモ?」


「こんくらいのちっこいの。名前と携帯番号書いてあったんだけど。」


「……………知らない。」


出した顔を引っ込め、冷蔵庫とにらめっこを始めた。

朝食メニューを物色中らしい。


「どこやっちまったっけ。」


置いたはずの場所を何度も確認した。

それでも見付からない。



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