コーヒーとふくれっつら
「だってなんだよ?あ?」


こっちもつられて更に責める体勢になってくる。


「……………ごめん。」


泣きそうな瞳が俺を見つめる。

泣きゃ良いっつうもんじゃねぇんだよ。

なんて事してくれたんだろう。

必死に落ち着こうと深呼吸してみる。


「わかった。そこ、座っとけ。」


ソファに座り、小さな声で謝る美里を背中にし、首を振る。


「はぁ………」


出てくる溜め息と一緒にゴミ箱を覗く。

綺麗さっぱり無くなったゴミたち。


「ちょっと外見てくる。」


「私も…」


「来るな!」


立ち上がろうとした美里を振り返りもせず、一言で否定した。

今、優しい言葉をかけてやれる自信は全くない。


だから、背中で否定することしか出来なかった。



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