優しい告白
二幕は始まったばかり。


「戻ったら………お前に間に合わねぇだろが。」


そう言うと、あっというまに私を腕の中に閉じ込めた。


「え…………る……い?」


「泣くな。」


人影もまばらな小さな川にかかる橋の上。

あと一時間もすれば、興奮冷めやらない人々が行き交う橋。


「お前さ、俺が中に入った時、見てただろ?」


「……うん。」


「すげぇ泣きそうな顔してたから……」


「………ん。」


「だから、すげぇ後悔した。」


ちゃんと、見ててくれたんだ。


「ごめんね。」


「謝んな。俺が一緒に見てぇなんてつまんねぇこと言ったから。ごめんな。」


背中をポンポンしながら、しっかり抱き締めてくれる。



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