優しい告白
増々止まらなくなった涙。


「ほら、帰るぞ。車、あっち。」


手を繋いで歩き出す。

慌てて手を引っ込めた。

だって、見られたら……。


「……良いから。行くぞ。」


もう一度、私の手をとり、ゆっくり歩き出す。


「オムライス、作れよ。」


「うん。」


「スープもつけろ。」


「うん。」


「サラダはいらねぇ。」


「うん。」


スーパー寄らないとね。

塁の冷蔵庫、ビールと水だけだからね。


「泣きすぎ。」


「うん。」


だって、繋いだ手が暖かくて。

涙が溢れてきて仕方がないんだよ。




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