優しい告白
前から10列目の少し右側。


「早かったかな。」


ちらほら埋まり始めた客席。

パンフレットを見ながら、舞台がとても楽しみだった。

それが、少しずつ、様子が変わって行く。

私の座る列に次から次へとやってくるアイドルたち。

塁の後輩たち。

最近良く雑誌にも載ってる男の子たちが客席に手を振りながらやってきては、私の座る列を埋めていく。


「やだ………そんな列なの?」


なんだか気まずい。

気まずいのは私だけなんだろうけど、座り心地が一気に悪くなる。


「はぁ……。」


出てくる溜め息が、どんどん重くなった。

隣に座る予定の彼は、このこたちよりも格段に人気がある。

客席の視線を集めるのは間違いがなかった。




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