愛情の距離





「お前、そんな指輪してたっけ?」



「ぅわ!」



またしても背後をとられた。

だからお兄ちゃんはいつも生徒に

「大奈先生は影が薄い」

って言われるんだよ。



「指輪だって?!」

反応したのはお父さん。

あたしは頷いて、お父さんとお母さんとお兄ちゃんに言った。



「あたし、大学行って、アメリカに留学する。…安藤尚と約束したの…」



3人は目を丸くしていたけど、少したって、お父さんが口を開いた。



「彼と、暮らすつもりか」

「………うん。」



お母さんが隣でニマニマしている。
完璧に楽しんでいるようだ。

逆に、お父さんとお兄ちゃんは真剣な顔をしていた。





< 196 / 230 >

この作品をシェア

pagetop