Simpleな恋

図書室に到着。


亜豆がさっきから一言も喋らない。

腕も掴んだまま。



ガラガラ──

図書室のドアを開けると中はがらんとしている。

図書委員すらいない。

亜豆と2人きりか。

ちらっと亜豆を見る。


「……。」

黙って俯いているせいで表情が伺えない。

手は諦めたかように、だらんと下がりなすがままだった。


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