虹に降る雨
それなのに、私は、貴方に黙っていることがあります。

ずっと、隠している事があります。

貴方が、どんな風に受け止めるのか、怖くて。

不安で。

美里ちゃんを心配しているんじゃない。

自分が弱いだけ。

こんな自分が嫌で嫌でしょうがなくなる。

彼を信用しているなら、愛しているなら…………。


「美羽、起きれる?」


「ん。」


ゆっくり体を起こした。

履いたままのジーンズが、何だか少しだけ固くなった気がした。


「おいで。」


繋いだ手をひかれるまま、後についていった。


「あ…………。」


そこで見た風景は、きっと、一生忘れないと思った。










綺麗で、優しい朝焼け。









まるで、彼のようだったから。




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