虹に降る雨
「やっぱり、最後に美羽姉に逢いたかったから。」
父親と別れ、娘を守るべく、準備をしてきた母親。
守ってくれなかった母親を信用できない娘。
信用を得るための3年だったはず。
それでも、やっぱり、不安に揺れる美里ちゃんの瞳は、「助けて」と叫んでいた。
「指、出してごらん?」
細い、綺麗な指。
不安で、爪を噛む癖がとれず、いつも深爪になっている。
私は、自分のバッグから、小さな袋を取り出した。
「これ、美里ちゃんに似合うと思うんだ。良かったらもらってくれる?」
美里ちゃんの掌に載せた小さな赤いチェックの巾着。
「中、見てみて?」
「うん。………………可愛い。」
「ほんと?良かった。」
父親と別れ、娘を守るべく、準備をしてきた母親。
守ってくれなかった母親を信用できない娘。
信用を得るための3年だったはず。
それでも、やっぱり、不安に揺れる美里ちゃんの瞳は、「助けて」と叫んでいた。
「指、出してごらん?」
細い、綺麗な指。
不安で、爪を噛む癖がとれず、いつも深爪になっている。
私は、自分のバッグから、小さな袋を取り出した。
「これ、美里ちゃんに似合うと思うんだ。良かったらもらってくれる?」
美里ちゃんの掌に載せた小さな赤いチェックの巾着。
「中、見てみて?」
「うん。………………可愛い。」
「ほんと?良かった。」