虹に降る雨
『雨の日なかなか良いもんだよ。』


なんとなくその言葉に誘われてから、私は、雨が嫌いじゃなくなった。


「ねぇ、美羽?」


「ん?」


「雨の日も風の日も……晴れの日も雪の日も曇りの日も…………」


「瞭くん?」


「とにかく、ずっと側に居る。以上。了解?」


「了解。」


笑って見上げた空。

凛と澄んだ空気が二人を包んだ。


「美羽?」


「ん?」


「明日も、ここでキスしよう?」


「…………。」


「変更。明日もここで逢いたい。」


「うん。逢いにくる。」


「晴れるかな?」


「晴れたら良いね。」


やっぱり、晴れた方が好き。


「瞭くん?」


「ん?」


「好きだよ。」


「俺の方が好きです。」


「知ってる。」




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