虹に降る雨
クリスマスに入っていたロケが急になくなり、休みになったと前の日から楽しみにしていた。

結局は仕事が入り、朝、逢ったっきり、年が明けるまで逢えずに過ぎた。


「ごめん。約束やぶっておいてプレゼントもないなんて。」


電話の向こうで必死に謝っていた。


今、目の前で、私があげた手作りの携帯ストラップをユラユラさせる彼。


「これのお礼もしたいしさ。」


ね? と、私を見つめる。


「お礼?お礼かぁ………。」


「なんか欲しいものある?」


「あった。」


「何?」


期待してる顔が……子供みたい。


「カイロ。」


「へ?」


「寒い。今、カイロが欲しいです。」


「…………カイロの詰め合わせでも贈ります?」


「嬉しいかも。」



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