*~鶯~*
ジリリリリ


うるさい目覚ましの音でアタシは目が覚めた。
今日もアタシの嫌いな朝がやって来た。
今日という1日をどう過ごすか…。
アタシにとっては重大だった。


「愛実ちゃーん。ごはんよー。」
「はぁい」


呼ばれて…台所へ行くとトーストの焼けるいいにおいがした。

「愛実ちゃん。今日は珍しく早いじゃない?」
義理母のおばさんが喋りかけてきた。

「……………」

「おばさんね、今日…時間あったからお弁当作ったのよ。食べてくれ…」

ガシャーン

アタシは気付いたらお弁当を放り投げていた。
その中に入っていた中身が無残にぐちゃぐちゃになっていた。

「そんなんいらないって言ってるでしょ!!別に変な義理なんていらないから。」

「ごめんなさいね…愛実ちゃん。」

「謝るんなら始めからしないでよ。んじゃもう行くわ。」

「行ってらっしゃい。」

「……………」

ガチャン


アタシには親がいない。
小さい頃に母は死んだ。
原因は父…。
父は女癖と酒癖が悪い最低な男だった。
そして父は母を追い込んで浮気していた女と再婚した。
アタシは父を一生恨んで生きていく。

それから…アタシは子供が欲しいという今のおばさんに引き取られた。

思い出すだけで嫌になる。
過去の思い出…。



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