キミの魔法
たまに亜美に分からないところを教わったりもした。
授業で次の時間当たるんだよ。なんて言いながら。
あいつに教わるのが一番分かりやすい。
だから毎日でも聞きたいんだけど、そしたら怪しまれるし。
バレる訳にはいかないから。
「これあげる!」
バスに乗ってきた時から何か怪しかった。
「何だよ」
バッグを覗いてはそわそわしていた。
「私とお揃いだよ」
その手には2つのお守りを持っていた。
「お守り?」
「そう。はい!」
何でお守り?と思ってひっくり返して裏を見ると『必勝合格』と書いてあった。
合格祈願のお守り…。
「怒った?」
「てか、何で?」
「大学、受験するんでしょ?」
知ってた?
いつから知ってたんだろ。
バレてやんの。
やっべぇ。
めちゃめちゃ恥ずかしい。
でもその倍くらい嬉しかった。
「ありがと」
「いいえ!」
貰ったお守りは携帯に付けた。
いつでも見れる様に。
これじゃあ、死んでも受かんねぇとな。