キミの魔法



「お守りあげる様な人いるの!?あたし聞いてないよっ」

「そうだっけ」

「彼氏出来たの!?」

「違う違う!ただ私が勝手に好きなだけ」


そう。私の片想い。

初めなんかたぶん嫌われてたし。

今は私のことを受け入れてくれて、頼ってくれる。

ただそれだけで嬉しい。

「告白しないの?」

「そんな簡単に言えないよ」

「何で?」


だって。

好きだなんて伝えたら、今の関係が壊れてしまいそうで…。

せっかく仲良くなれたのに。

もう最初の頃の様には戻りたくない。


話し掛けても応えてくれなくて。

ちらっと私の方を見たかと思ったらウザそうに睨むだけ。


今そんなことされたら…。


そう思ったら怖くて告白なんて出来ないよ。


「彼は今私の恋愛に付き合ってる暇はないの!」


そうだ。

今は必死に勉強してるんだから。


きっと夢を見つけて、その夢に向かって頑張っているんだ。


私の想いなんてただ邪魔なだけだよ。


こんなに頑張っているんだから、絶対に受かってほしい。


私の今の夢は彼が大学に受かること。

拓真の夢が、私の夢でもある。










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