キミの魔法
♪〜♪〜
今度は電話が来た。
拓真からだ。
「もしもし?」
色々考えてたら返信するの忘れてた。
電話なんて本当に珍しいなぁ。
『…好きだ』
………え?
何??
スキ???
何が、何を?
誰が、誰を?
『亜美のことが好きだ』
私のことスキ?
「誰が?」
『俺が…。』
拓真が私のこと好き?
「えーっと。それはアレ?友達としてとか…」
『……。』
あれ?返事が返ってこない。
だってはっきり聞かなきゃ、信じられないんだもん!
『お前ホントうざい。もう知らねー』
えー、うそぉ。
怒らせちゃったよぉ。
「ごめんなさい…。」
『ゴメンはいらねぇ』
え?
ゴメン以外で拓真に言うこと…。
「私は…、拓真のこと好き。友達としてじゃなくて拓真のこと好き!」
『マジで言ってんの?』
「何それぇ。マジだよ。大マジ!」
『ははっ…。バーカ』
拓真は力なく笑った。
その『バカ』は、嫌味なバカじゃなくて。
穏やかで優しく、ほっとしたような声だった。