キミの魔法
5.キミの魔法
「大学受かりました!」
朝の第一声がコレだった。
しかもピース付きで。
いや。昨日メールで聞いたし。
どんだけ自慢すれば気が済むんだこいつ。
「絶対、結果報告しろ」っつったの俺だけど。
俺はまだ受験生だっつの。
人の気も知らねぇで。
はぁ。朝からうぜー。
「はいはい。おめでとー」
「すっごい棒読み!」
「怒るぞ」
「ごめんなさい。」
受かって浮かれてんのは分かるけど、今の俺は一緒に喜んでやれる程の余裕がない。
今まで必死で勉強して、前より頭は良くなった。
でもだからって、受かるとは限んねぇし。
これで俺が落ちたら、マジで間抜け。
どこ受けたかなんて、一生言えねぇ。
てか。俺が落ちたら亜美とは会うこともなくなるし。
会わなくなったら、言いたくても言えねぇんだ。
落ちたら…。
この想いも終りだ。