キミの魔法



ボタンを押した。

機械音が聞こえる。


プルルルル…

『もしもし?』

早っ。

電話出んの早ぇよ。

まだワンコールしか鳴ってねぇ。




そのせいで一瞬言葉に詰まった。

でも今俺が伝えたいことは、ただひとつ…。


「好きだ。亜美のことが好きだ。」


人生初めての告白。

なんかスッキリした。


なんてガラにもないことを思っていると…。


『誰が?』

……。

は?

「俺が…。」


『えーっと、それはアレ?友達としてとか』


はあ?

こいつふざけてんのか。

俺が友達だと思ってるヤツに『好き』なんて言うわけねぇだろ。

言うと思ってんのか?

ありえねぇだろ。


「お前ホントうざい。もう知らねぇ」

そうか。

こいつ俺のことなんか興味ねんだ。

だから俺のことなんも分かんねぇんだ。


告白なんてしなければ良かった。


あー。でもしたから気付いたのか。


最悪。



合格辞退しよっかな……。









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