キミの魔法



まだかなぁ。


私は今バス停で、拓真を待っている。


『今すぐ帰るから』と拓真が言ったので、準備万端!いつもより可愛く!で張り切って待っていたんだけど…。


帰ってくるのに2時間かかるんだった!!

まだまだこないなぁ。



拓真が同じ大学。

そう思っただけで、顔がニヤけてくる。


ヤバイよ。

一人で笑っちゃう。


真顔。真顔。



ダメだぁー!顔の筋肉がぁー。



「おい。そこのあほ面」

「えっ?」


振り向くとそこには拓真がいた。



私の彼氏。


『彼氏』。


「そのあほ面やめろ」


またニヤけてた?


「あれ、でも帰って来るの早くない?」

「あ、あー。速いので帰ってきた…」

………。

「あほ面」

今あほ面にならない方が無理!!

だって速いのって。

特急?新幹線?

何でもいいけど、私に早く会いたかったってことでしょ?

『会いたい』って言ってくれたのだって夢みたいなのに。


早く会いたいなんてー!










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