キミの魔法
「なぁ。もし俺がここ行くとしたらどんだけ努力しなきゃなんねぇ?」
「そうだなぁ…。24時間勉強しないと無理だな」
24時間て…。ありえねぇ。
あぁ、一瞬バカなこと考えた。
「あほらし」
「何だ。受けるんじゃないのか」
「受けるわけねぇだろ。もういいや。戻しといて」
亜美と同じ大学に行けたら…。
そんなことを思ってしまった。
亜美と同じ大学なんて行けるわけないんだ。
そんなの聞かなくたって分かってたことだ。
あいつの行ってる高校はバカじゃ行けない。
しかも今の俺は授業をサボリまくりで受験どころか卒業も危ない。
「でもお前最近感じ変わったな」
「は?」
「刺々しさがなくなった気がする。これのおかげか?」
と言いながら小指を立てている。
「何だよその指。てか、お前に関係ねぇだろ」
「てことは、やっぱり彼女か」
「うっせ、はげ!」
部屋のドアを乱暴に開けて廊下に出た。
まだ1限終わんねぇな。
屋上でも行くか。