キミの魔法
2.気になる彼
朝のバスで見かける彼。
なんだか知らないけど…、気になった。
どんな声で話すんだろう。
どんな顔で笑うんだろう。
彼は毎日いる訳ではない。
その日の気分でバスに乗る時間を変えてるのかな。
彼はいつもバスの右側一番後ろに座っている。
そこが彼の定位置らしい。
彼がいない日でもその席は空いていることが多い。
私はバスに乗れば一番に後ろの座席を見て、彼がいるか確認してしまうんだ。
その日私は彼がいることを確認すると、いつの間にか彼の隣に座り話し掛けていた。
「いい天気だねっ」
彼は私の方をちらっと見て目を閉じてしまった。
「寝るには最高だよねぇ……。」
なんだか小声になってしまい、独り言のようだった。
実際返事が返ってこないんだから、独り言と換わりないんだけど…。