キミの魔法
ある朝。
いつもの様にバスに乗り一番後ろの座席を見ると。
拓真、発見!!
ん?
彼は真剣な顔をして本を読んでいた。
いつもは寝ているか外をぼーっと眺めているだけで、特に何かをしているということはあまりない。
「何読んでるの?」
話し掛けたらびくっとしていた。
「何だよっ」
そして慌てて読んでいた本をバッグに突っ込んだ。
「何ぃ?見せてよ」
「何でもねぇよ」
「怪しいー」
「うるせぇな。てゆうかお前さぁ、テストって何点くらい取ってんの?」
はあ?
話をそらされたうえに、いきなり訳の分からないことを聞かれた。
「何で?」
「いいから」
何点とか聞かれたって、毎回点数は違うし、教科でも違うし。
「うーん…。」
「50以上は取んの?」
「まぁ、取るかな…」
「だよな…」
私の答えを聞いて、何やら考え込んでしまった。
何なんだろう?