運命
それは、私が幼稚園の頃の大学病院に熱性痙攣で入院している時に出会った。
ある日、テーブルの上に飾られている時計を見ると雄輝(ゆうき)が検査から戻ってくる時間になっていた。
ベットから出ると、見知らぬ男の子が無言で私の部屋の前をじっーと見つめていた。
男の子『…』
気にせず私は、スタスタと雄輝のベットの下に潜り込み隠れる。
それを見ていた男の子に、すかさず喋るなという合図を送りカーテンを閉めた。
すると、雄輝が看護師さんに連れられて検査から戻ってきた。
雄輝がベットに寝るのを確認すると驚かした。
仁美『うわぁ!!』
雄輝『ぎゃぁー!!…ってひとみかょ!!』
看護師『こら!!仁美ちゃんベットで安静にしてなさい!!』
仁美『え~雄ともっと遊びたい!!』と駄々をこねる。
看護師『雄輝くんは、今検査から戻ってきたばっかりで先生に休んでなさいって言われたからダメなのょ。』
仁美『えぇ…やだぁ。ひとみ雄と遊びたい!!』
看護師は仁美が嫌いな言葉をはいた。
看護師『仁美ちゃん言うこと聞かないと注射しちゃうょ??』とニコッと笑う看護師。
仁美『やーだー!!』
看護師『じゃぁ…ベットに戻りなさい♪♪』
仁美はコクりと頷き雄輝と向かい側のベットの上にねっころがった。
そう、この部屋は4人部屋で私達の他に1人夏奈(かな)という女の子がいる。
看護師さんが部屋から離れて行った事を確認し、雄輝が寝ているカーテンを開けた。
すると雄輝は幸せそうな顔をして寝ていた。
カナの所もカーテンが閉まったままだった。
仁美『つまんない…』
と呟きながらベットに戻ろうと部屋の入り口を見るとまだ…あの男の子がいた。