シンデレラ物語
思い
「そういや、担任、変わったんじゃなかった?」
「え?そうなの?」
あたしたちのクラスの担任はすごい気が弱い先生だった。
だからすごい自由だった。
ガラガラガラ…
「うわっ…高橋じゃん…」
すごく嫌そうな顔をする土田さん。
高橋先生とは、体育の先生で髪型はワックスでツンツン。
筋肉が結構あって、厳しいときと適当なときの差がある先生。
とにかくお気楽っていうか、なんていうか…
「よぉ!俺がこれからお前らの担任だー!よろこべー!」
「よろこばねぇよー」
とか
「なんで先生なの?」
とか
歓迎の言葉は一つも出て来なかった。
「歓迎しねぇのかー!あ、前の担任は病気だかなんかでもう来ないらしいからー!ま、俺が担任で良かっただろ!」
「病気だかなんかでって…
ちゃんと話聞いて来いよー!」
そこでつっこんだのは、境くんだった。
境くんはこのクラスの委員長でまとめ役かつムードメーカーだった。
そのつっこみを聞いて、みんなが笑っていた。