シンデレラ物語
「女だしっ!いいんだよ、女同士なんだから!」
「じゃあ、俺も女の子☆」
優くんはそう言うと土田さんの胸に手を…
「てめぇはどうなっても女になれんわっ!」
あと数cmのあたりで土田さんが手をはねのけた。
「やぁん!痛いぃ!私女の子だから痛いぃ!」
「うん、もういいよ。高安はどっか行ってろ。」
冷めた目で見る土田さん。
「それは嫌だねー!俺ここ好きだもん♪日向ちゃん好きだし♪」
…す、好き?!?
Loveってこと!?
「長谷川、こいつの“好き”はLoveじゃなくてlikeだから(笑)」
「そんなことねぇぞ!俺はみんなLoveしてるから!」
「なんか、ちょっとおかしいし。とりあえず、今日は泊まりなさい!家に電話してなきゃまずいなら電話しろ!」
あたしはつい最近買ったケータイでお母さんにメールをしてみた。
ケータイの中にはお母さんとお父さんと自宅しか入ってないんだけどね…。
「えっ!日向、ケータイ持ってたの?!」
「う、うん。学校が遠くなったから…。」
「なんだよー、早く言ってくれれば、よかったのにー。教えてよ!」
慣れた手つきで土田さんはケータイをいじると、電話帳の新規登録のとこを開いてあたしにわたした。
あたしは、自分の番号表示のところを見ながら打っていった。