シンデレラ物語
友達
あたしは今日も1人で教室にいた。
朝、学校に来るのは7時30分。
教室のこの静かな空気が好きで早く来て読書をしたり、教室の清掃をしたりしている。
ガラガラガラ…
開いたドアの方を見ると
王子が立っていた。
「ん、おはよ。」
「おはよう。」
「いつもこんな早いんだ。」
「う、うん。お、神木くんは?」
「ふっ…慣れないなら王子でいいよ。俺は名高から逃げてるだけ(笑)」
王子って呼ぶの、癖になっちゃってるかな。
でも、王子が嫌がるなら…
やっぱ神木くんがいいよね。
「名高さん、大好きだもんね。あたし、やっぱ神木くんって呼ぶよ。神木くん、『王子』が本当の神木くんじゃないんだよね?」
前から思っていた。
みんなの王子で疲れないのか。
楽しいときは本当に楽しそうだけど、たまに違うことを考えてるときがあるんじゃないかって。
前に話したときにちょっとした確信になった。
それを聞いた神木くんはびっくりしていた。