【短編】Merry Xmas?
「ありがとう…」
無意識に出てきた言葉。
でも彼は“誰に”言ったのか聞かなかった。
きっと、彼も思っていたから。
あたし達を1つに結んでくれた、あの人に。
真っ赤な服のサンタさんに。
熱いものが頬を伝う。
涙でぐちゃぐちゃになったイルミネーションはいっそう綺麗に見える。
「…っ?!」
急に視界が揺れた。
次に定まった視界に映るのは真っ赤のなネクタイ。
あたしの少ない脳が、抱きしめられていることを教えてくれた。
「健斗…くん?」
「…好き」
「うん」
「ずっとずっと…」
「…一緒にいてね?」
2人は笑った。
あの光よりも輝くように。