スモーク
わかんねーぞ?
雄介はそう言うと
「まっ、まだ告白かどうかもはっきりしてねーけどな。」
と、一気に現実の世界に会話を戻した。
「だな。
その時になったらわかることだしな・・。」
そして2人同時に頷くと陽希はその場に立ち上がった。
「じゃっ、俺そろそろ自分の席に戻るわ。
いろいろありがとな、雄介。」
少しはにかみ、ポケットに手をいれたまま雄介に話しかけた。
「おう!!」
雄介も顔をくしゃくしゃにして笑いヒラヒラと小さく手を振った。
そして、陽希がくるっと体勢を変えたとき
「あ・・陽希っ」
後ろから雄介の声が聞こえた。
「ん?」
陽希は振り返った。
「今日の放課後のこと、教えろよ?」
雄介がそう言うと2人、ニッコリ笑ってお互いの席に座ったのであった。
…この時、数時間後に陽希が悩むことになるのは、誰ひとり知ることはなかった。