スモーク
「あぁ・・」
陽希の返事に雄介は呆れれつつ
「・・昔のお前に戻れよ。」
と呟いた。
「・・あぁ」
相変わらず気持ちの込もっていない、力ない陽希の返事。
「・・俺、陽希の見方だかんな。」
そう言ってニカっとどことなく悲しい顔をして笑うと雄介は雨の中へ走り去ってしまった。
ザ――――・・
雨の音が鳴り響く中、陽希はただ黙々と歩き続けた。
誰も歩いていない、寂しい道を。
たったひとりで歩き続けた。
「・・俺、間違ってっか?」
そんな中、ひとりで呟いた。
雨の音で揉み消されてしまいそうな音量で・・ポツリと。
「仕方ねぇんだよ・・。・・やらなきゃやられる・・。」