スモーク
「俺・・は、間違ってないんだ・・よな?」
自分の心に問いかけるように呟いた頃、陽希は自分の家の前にいた。
ゆっくりと・・玄関を開ける。
「おかえりー・・って、なんでそんなにずぶ濡れなのよっ!!傘、持っていってなかったの?!」
慌てているようすの母は陽希の返事を聞く前に
「祐月っ、タオル持ってきてちょーだい!!」
と、陽希の姉、祐月にタオルを持ってくるよう頼んだ。
「・・ただいま。」
陽希は独り言のように呟やき、母の問いかけに答えぬまま洗面所に向かった。
「ちょっ・・陽希っ!!」
「お母さん、どうしたの?」
母が叫んだと同時に祐月がタオルを持ってやってきた。