スモーク
「・・陽希、反抗なのかしらね・・。」
ため息交じりに母が言った。
祐月は状況が判断できないようでタオルを片手に
「なんで?
・・陽希って、変わったよね。」
と、祐月が言った。
「変わった・・ね。」
母は、少し寂しそうに答えた。
「昔はもっと可愛くて明るくて・・素直な子だったのにね・・。」
「何が陽希を変えたんだろうね・・。」
母と祐月がそんな会話をしている時に、陽希は洗面所で体を拭いていた。
冷たく、完全に冷えてしまった体に、擦るようにしてバスタオルを滑らせた。
全身を拭いて、洗面所から出ようとした時、陽希の携帯電話が鳴った。
「・・誰だ・・?」