ブランケット
変わらない。
思い出に代わりなんて、存在しない。
試合は勝った。
0対16。
一点さえも相手チームに許さなかった。
私は江鳩先輩を見ていた。
格好良い顔に誰もを魅了する態度。
最後だからか、先輩の周りには沢山の人が集まっている。
「江鳩も最後だね。」
桜木先輩がクスクス笑っていた。
「私…っちょっと行ってきます。」
想いを今すぐ伝えなくても良い。
ただ、サヨナラを。
「江鳩先輩…!!お元気で。」
先輩はこっちを向いた。