ブランケット
『クレッシェンド』
段々強くの意で用いられるこのバンド名は、城島さんが付けたらしい。
4人で活動する時にはもう決まっていて、その事について誰も何も言わなかったから。
授業は午後からだから、いつものハウスに足を運ぼうかと思った。
「…あ」
向かいの家から芙柚が出てくる。
「あ、おはよー」
フワリと笑顔を見せながら、挨拶をしてくる。
俺も返して、並んだ。
「幸四郎、どこ行くの?」
久しぶりに並んで歩いたからか、芙柚の身長に少し驚く。
…俺がデカくなったのか芙柚が縮んだのか。