ブランケット
案の定、色々吐かされた。
「コウ君、それは…」
「この馬鹿!」
美夜ちゃんの声が、紅乃にかき消された。
「紅乃」
静かに響く窘めるようなオウ君の声。
そうだ、紅乃の腹には子供がいる。
「あ…ごめん…」
でも、オウ君。
嫉妬はしないのか!?
朝貴も、美夜ちゃんが俺ばっかに話し掛けてるとかって思わないのか!?
「避けるに決まってるでしょう?」
…その話、まだ続けるらしい。
「だって、幼なじみが有名なバンドのメンバーの一人になっちゃったんだよ?あたしなんかが傍にいたら…って考えるの、当たり前じゃない」