ブランケット
今まで見えなかった事。
見なかった事。
「学校では避けられるからって、そのままにしたんでしょう?臆病者、草食男子!」
「は?最後の何だよ…じゃなくて、なんで俺が芙柚を好きな事が前提なんだよ!」
「高校の時は毎日、遅刻ギリギリまで朝付き合って登校してたクセに!」
言葉に詰まった。
これが、俺が見なかったこと。
芙柚を好きなのを隠して世話焼きな幼なじみを演じて。
これ以上、離れたくない。
その一心で距離を保ってきた。
「…はい、恋愛相談終わりー。打ち合わせやるから」