ブランケット
城島くんの声と同時に襲ってきたのは不快感。
吐き気が込み上げる。
「…だ、いじょうぶ」
「顔青い」
「大丈夫だよ」
「保健室運ぶ」
結局、伸びてきた腕に寄りかかってしまった。
目を開けると、金色の西日が差している。
眩しさに目を細めながら寝返りをうつ。
「…先輩さぁ。体調管理はしっかりしなよ」
「ごめんなさい…」
あぁ、後輩に怒られるなんてとんだ駄目先輩。
「城島くんって、大人びてるよね」
「何、急に」
「『絶対』も『永遠』もこの世にはないって思ってる?」