ブランケット
寝転がったまま、城島くんを見ると茶色い髪が夕日で赤っぽくなっていた。
呆れた顔をして、
「俺、本当は先輩より先輩なんだよね?」
…え?
「二年ダブってんの。だから本当は三年なわけ」
…えぇ!?
寝返りどころか、起き上がった。
「…城島先輩」
「そういうこと」
やっと分かった。
桜ヶ峰くんの事を『千晴』と呼べる理由。
私達学年よりひとつ上だから…なんだ。
「『絶対』はないの?」
私は繰り返し聞く。
「絶対に『絶対』がないなんて言えないけど」
眩しいのか目を伏せる。