ブランケット
学校のチャイムが鳴る。
「『運命』もないよ」
私は言った。
「偶然が何回も重なると運命だって言われるけど…そんなの変だもん」
「どこが?」
どうやら『運命』はあると思っていた城島先輩。
「…病気で死ぬ人もそれが『運命』だって、受け入れないといけないの?」
重たい沈黙が流れる。
夢が叶う『運命』
好きな人に出逢う『運命』
…病気であっけなく死んでしまうのも『運命』?
「先輩、死ぬの?」
そんなに直球に聞かれたのは初めて。
「死なないよ。しかも年下なのに先輩とか言わなくても良いよ」