ブランケット
誰のかを聞くのは少し失礼な気がして、口を閉じる。
そして高校三年生になった江鳩先輩を見る。
背も高いし、大人っぽくなった。
そして、ドリンクコーナーから出てきた女の人がこっちを見ながら固まっていた。
…誰?
「シオちゃんっていうんだ。俺の連れ。」
「あ…はじめまして。」
彼女じゃないんだ。
でも、江鳩先輩がシオって人を見る目が優しくて…。
早く、シオさんに想いが届けば良いと思った。
紹介されたシオさんは、びっくりした顔をして、
「こちらこそ。」
と優しく微笑んだ。
良い人だ、きっと。
ただ、サヨナラを。
END.