ブランケット

元不良なものだから、口が悪くなる。

…まぁ…初対面からこんなでも紅乃は怯まなかった。

結局、店を出て車に戻る。

紅乃は怒っているのか、窓の外を見ている。

「…そんなに指輪嫌か?」
「え?」

驚いた顔をして、こっちを向く様子を見れば、怒っていた訳ではないらしい。

「今、何考えてた?」
「…名前」

「は?」

「…子供の!」

別にムキになる事じゃないだろうが。

「指輪よりそっちか」

まぁ、いいけど。

「『より』じゃないけど…指輪はいつ買っても良いでしょう?」
「まぁな」

「子供は千晴と二人だけのものだから」

…あぁこいつ。

「紅乃にネーミングセンスがあるとは思えない」

「少なくとも千晴よりはあるよ」


…ムカつくくらい可愛い。





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