ブランケット
きっと、それより前に捨てられてしまったのかもしれない。
黒い子猫。
私が近づくと、鳴き声をあげて近づいてくる。
餌はあげてる人がいるみたいで、子猫は痩せてる訳ではない。
「よしよし。」
耳の後ろを撫でて、立ち上がる。
そして家に帰る。
「パパお帰りー。」
私よりも一足先に帰っていたパパに言う。
「あぁ。」
ママはもう夕飯の支度をしていて、笑う。
「変なの、涙(ルイ)が帰ってきたのに。」
「いいの。パパと会ったんだからお帰りなの。」
反論する私に、尚もママは笑う。