ブランケット

気がつけば、小雨に変わっている。

「猫好きか?」

パパはそんな質問をした。

「うん。大好き。」
「お前、やっぱりママに似てるな。」

愛おしそうな顔。って、今のパパの顔の事だろうか。

「…あ、分かった。」

「あ?」

「私、ママに似てるからパパのこと好きなんだよ。ママも好きだけど。」

そうニッコリと笑うと、呆れたように笑われた。

子猫の箱を屋根のある場所に移動させる。

「帰るぞ、腹減った。」

「今日の夕飯なんだろうね?」

「麻婆豆腐。」

「またぁ!?」

「レパートリーが少ねぇからな。」



< 161 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop