ブランケット

絶対ここにママがいたら拗ねるか、「タイマンはんのか!!」と怒りだすだろう。

自然と手が出た。

そして、その手はしっかりパパが握ってくれた。

「…パパ、ママとどうやって出会ったの?」

「ママがいじめられてんの助けてやったんだよ。」

「嘘!?」

「嘘。」

やっぱり教えてくれないらしい。

「いつかママに教えてもらえ。」

パパはそう言って、もう黙ってしまう。

まぁいいや。

私は傘をさしながら、後ろを振り返る。

澄んだ雨の匂いがした。






『私のママとパパ』
END.




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