ブランケット

もう彼女を止めようって思ったことが、何度もある。

でも、その度に勇気を出し切れない自分がいた。

それはきっと、まだあたしは御津を好きって想いが強いから。

でも、ずっとこのままじゃいられないと思う。

宙ぶらりんなまま、あたしは何なのか分からないまま続くのは良くない。

御津はきっと重いって感じてる。

昼休み、あたし達は約束もしないけど中庭で一緒に昼食をとる。

あたしはお弁当を。

御津はパンを。

ただ何も言わないまま。

端から見れば恋人同士っぽいのかもしれない。

でも、お互い会話をしないから一人で食べてるのと同じ。

あたしは良い。

元々あたしが一人でこの場所で食べていたのだから。


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