ブランケット

暴れ馬が出たと人伝てに聞いた。

行ってみたら、ゲーセンの角に人だかり。

深く溜め息を吐きながらその人混みに入って、中心にはいる。

「なんか文句あんのかよ!?」

相手と殴り合ってはいるけど、暴れ馬はまだ怒鳴る気力も残っているらしい。

「あぁ!?」

凄むのも良いけど…時間が過ぎるとポリのサイレンが聞こえ始めるから。

だから、はやく暴れ馬を引き摺って帰らないとならない。

「…ちょっとヤエ。」

女みたいな名前のその暴れ馬は、女みたいな顔をしている。

「んだよ!?」



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