ブランケット

自分より他人が優先で、いつもニコニコしているんだろう?

「でも、寒かったと思うから。」

「もう、いーよ。」

言葉では表せない関係だと思う。

恋人ではない。
かと言って、親友というほど親しいわけではない。
…でも、ただのクラスメートではない気がする。

クラスで帰る方面が一緒の女子が居ないから、と里村は俺の後を追いかけてきて。

今では一緒に帰る“だけ”の仲になった。

「なんか書いちゃって出せば良いのに。」

俺が持っていた進路希望表を奪い、里村はそれを見つめる。



< 213 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop