ブランケット
自分より他人が優先で、いつもニコニコしているんだろう?
「でも、寒かったと思うから。」
「もう、いーよ。」
言葉では表せない関係だと思う。
恋人ではない。
かと言って、親友というほど親しいわけではない。
…でも、ただのクラスメートではない気がする。
クラスで帰る方面が一緒の女子が居ないから、と里村は俺の後を追いかけてきて。
今では一緒に帰る“だけ”の仲になった。
「なんか書いちゃって出せば良いのに。」
俺が持っていた進路希望表を奪い、里村はそれを見つめる。