ブランケット
空白の紙は寂しい。
でも、埋める言葉も高校も見つからない。
「横橋は将来何になりたいの?」
紙から視線を上げてこっちを見る。
「特にない。」
「え、じゃあ私が勝手に決めちゃうよ。宇宙人とか。」
今から宇宙人は少し難しい気が。
クスクスと笑いながら、校門を抜けた。
夕日が綺麗だ。
「里村は?進路希望表、なんて書いた?」
紙を奪い返して訪ねる。
「就職。」
笑みが消えた。
それにドキリとする。
「私、家族がお祖母ちゃんだけだから。色々厳しいんだよね?親戚の人もあんまり良い風に思ってないみたいだし…。」