ブランケット

聞いたことがある。
里村の両親は、里村が幼い頃に亡くなったと。

無神経にも程がある。

「なーんてね。」

「…おいコラ。」

あははっと笑いながら、歩くからこけそうになる。

「そう言ったら、お祖母ちゃんにすっごい怒られた。長刀持ってきちゃう勢いだった。」

長刀って怖い。

「進学するよ。」

そう笑った里村は、得意気。

「進路希望表なんてさ、ただの紙っぺらでしか無いんだよ?こんなんで未来が決まっちゃったら、誰も苦労しないもん。」

「だな。」

「そ。だから、まずは宇宙人になりたいですって書こう。」



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