ブランケット

切なくて、胸がいっぱいになって気持ち悪い。

しばらくの間、涙が止まらなかった。

「…真衣?」

聞き慣れた声。

いつも、あたしの事を可哀想って言っていた。

「朔未!!」

午後の授業が始まっているっていうのに、朔未は屋上にいた。

元々、ちゃんと授業を受ける人でもないけど。

「何で泣いてんの?てゆーか、服に鼻水つけないで!」

「うわーん!!」

こんな時まで酷い事を言うのが朔未らしい。

あたしは、朔未から離れて涙を拭う。

「…御津にお別れでも言ってきた?」

ふざけた感じに言われたそれが答えで。

「そうだよ。」

また涙が出てくる。




< 22 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop