ブランケット
朔未は溜め息をついて、あたしの背中をトントンと叩く。
「…あの馬鹿。」
そう呟く声が聞こえた気もしたけど、泣く事に集中した。
泣けば忘れられる。
きっと、もう御津に告白したのも同じ空間で昼食を食べたのも忘れるはず。
次の日、少しだけ目が腫れていたけど学校に行った。
「おはよー。」
朔未に挨拶をすると、「おはよ。」と返ってきた。
変わらない日常…。
「真衣。」
後ろから腕を掴まれて、体が強張った。
強張ったのは、急にだったからじゃない。
「…おはよう、沖田くん。」
もうあたしの視界に入らないと思っていた人物だったから。