ブランケット

何をしていたって、休み時間はくる。

あたしは話があるっていう御津から逃げるように教室から出た。

向かう場所は、中庭じゃなくて食堂の方。

自動販売機でお茶を買って、壁によりかかった。

話って何?

これ以上、何を話すの?

「……真衣。」

少し聞こえた声に、そっちを見ると御津の姿。

あたしはその場から逃げた。

気づけば勝手に体が動いている。

「…っ。」

もう少しだけ。

もう少しだけ待って。

今、御津の姿を見たら、泣いてしまうから。




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